友人の家のすぐ前に、
フィリピン国鉄の線路が通っています。
最近、日本の援助で、
再び電車が走るようになりました。
電車が走るのは、
一日数往復だけで、
整備が済んでいる近距離のみの営業運転ですが、
運賃が安いこともあって、
多くの人に利用されているようです。
しかし、
電車が走らない時間も、
線路は活用されていました。
地元に人が「スケイト」と呼ぶ、
(本当の発音は、頭に聞こえるかどうかの小さなイがついてイスケイト)
手作りの車両が走っています。
車両後方に小さな発動機とブレーキが付いていて、
後ろに乗っているおじさんが、
運転手兼車掌です。
私たちも乗ってみました。
そういえば、
バンコクでも、
線路の幅に合わせた車を作って、
荷物を運んでいるのを見ましたが、
小型とはいえエンジンを付けた乗り物を作って、
しかもそれでお金を取って商売にしているっているのは、
なかなかすごいですよね。
ちなみにこの”ミニ気動車”、
前進しかできません。
線路は単線なので、
一方にしか進めないことになります。
しかし、
家の前でしばらく見ていると、
この”ミニ気動車”は両方向から走ってきます。
はてはて、
別方向に行きたいときはどうするんだろう?
と思っていましたが、
何のことはなく、
向かいから別の”ミニ気動車”が来たら、
客の少ない方がみんな降りて、
みんなで”ミニ気動車”を持ち上げて、
線路わきに下ろして、
道を譲っていました(笑)
もうひとつ、
フィリピンで欠かせない庶民の足は、
こちらです。
トライシクルです。
二輪車にサイドカーを付けて走る、
三輪バイクですね。
サイドカーは、
荷台としても使えるように、
控えめに椅子が付いていて、
椅子の後ろにスペースがあり、
そこに物を載せたり、
あるいはそこにも人を載せたりします。
写真では、
運転手の後ろに2人、
サイドカーに3人、
合計運転手を含めて6人乗っていますね。
詰めてもっとたくさんの人が乗っていることも
あった気がしました。
普段は、
あまりスピードを出さないで走るので、
それほど怖いとは感じませんが、
一度事故に遭ったら、
ほぼ身を守る手段がないので、
大惨事になります。
大きな道では、
猛スピードで走るバスやトラックが、
このトライシクルをかいくぐるようにして
オーバーテイクしていく姿を見かけます。
また、
トライシクルが急に止まったり、
曲がったりUターンしたりするので、
それもまた危ないんですよね。
まあ、
のどかな田舎道を、
のろのろと走る位がちょうどいい乗り物ですね。
フィリピン人は、
少しの距離でも歩くのを嫌がる傾向があるので、
この乗り物の需要があります。
仕事のない田舎では、
トライシクルの運転手というのが、
男性の大切な雇用機会の一つとなっています。