タイのあれこれ

と、フィリピンのあれこれも

パラワンへ (5)

 

ティニトゥアン島は、思ったよりも昔の生活水準でした。電気は午後4時から12時までしか供給されておらず(しかも、滞在中は発電機が故障していて1日おきの配電でした)、水道はありません。井戸から手で水をくみ上げて生活用水にしています(飲み水は、最近できたというウォーターステーションから買っていました)。上水道がないということは、もちろん下水道もありません。そして、意外に大変だなと思ったのは、ゴミの収集がないことです。自分でゴミを正しく処分するって、結構大変ですよね。っていうか、あまりゴミが出ない生活をしているのかもしれませんが。ここから沖合10kmに浮かぶ島は、世界有数のリゾート・アマンプロで、ハリウッドスターたちがゴージャスな休暇を楽しんでいるという現実。不思議な感じです。

島の一番の産業は、海草の養殖でした。至る所で海草を干しているのを目にしました。

小さい海草を取ってきて、それを大きくして収穫しているとのことでした。海草をロープに結わく仕事は、一家総出で行っていました。

左の舟が取ってきた若い海草で、養殖後収穫したものが右の舟に乗っています。

何処までも遠浅の海で、海水がとても温かいので、海草の養殖に向いているのではないかと思います。海草の種類がいくつかあるようですが、乾燥させたものが1㎏55ペソ、安い種類の海草は25ペソで買い上げてもらえるとのことでした。この海草から、一番良い質のものは薬のカプセルの原料に、質の良くないものでもプラスチックの原料になるのだそうです。漁をして魚を取るよりも安定した収入になるとのことでした。

島で意外なものを見かけました。

そう、スターリンクのアンテナです!東南アジアで初めてフィリピンでスターリンクのサービスが始まっていて、島で使っている人がいました。スターリンクでインターネット接続し、そこに「ペソWi-Fi」と呼ばれる、5ペソコインを入れて2時間Wi-Fiを使えるシステムをつないで商売していました。夕方になると、若い子たちが集まってスマホでインターネットをつないでいました。こういう点では最先端を行っていて、ギャップがすごいなと思いました。

いろんなところで豚を飼っていたのもこの島の特徴だなと感じました。

海のすぐそばで飼っているせいか、ニオイが全くしないのはいいのですが、糞尿はすべて海へというのは、衛生的にちょっと心配な気がしました。でも、当の人間も全部海で用を足しているのかもしれませんね。海ってすごいっていうことなのでしょうか(笑)

ココで、生まれて初めて食べたものがありました。

ウミガメの卵です!この島ではとてもたくさんあるので普通に食べているとのことでした。白身はプルプルで、黄身は月餅に入っているアヒルの卵みたいに濃厚で、ちょっとざらざらした食感でした。

ティニトゥアン島には3泊させていただきました。帰りは、ミンドロ島のサンホセ行きの船に乗りました。乗客を乗せる船はまたもや出航せず、これ以上旅程を延ばせないため、前日にコースガード(沿岸警備隊)の事務所に行って事情を話して、魚を運搬する船に乗せてもらいました。客室はもちろんないので、私たちの席は操船室の上です。

youtu.be

所要時間は7時間と聞いていたのですが、1隻小さな舟を牽引していたせいか8時間かかりました。仮設のバスタオルで屋根を付けていましたが、海の上の日光はさすがに強く、4,5日後から日焼けで少しずつほぼ全身の皮がむけていきました。。。(ふくらはぎは10日以上過ぎてからむけてきましたが、年を取ると遅くなるのでしょうか)

サンホセからは、夜行バスでマニラへ向かいました。

ミンドロ島からバタンガスに渡るフェリーも込みで9時間かけてパサイに到着しました。その後バギオまで再びバスで6時間、日曜日の朝にティニトゥアン島を出発し、漁船→バス→フェリー→バス→バスと乗り継ぎ、月曜日のお昼過ぎにバギオに着きました。最初の予定では、帰りもプエルトプリンセサから飛行機でマニラに帰ってくる予定でしたが、ティニトゥアン島行きの日程の関係でキャンセルしました。うまい具合に、航空会社都合で時間変更があったため、追加料金等なくキャンセルでき(代金はトラベルファンドとして航空会社に預ける形)、次回の旅行に使えそうです。

さてさて、今回は引っ越し先の下見だったわけですが、どこがいいかなぁ。最後に行ったティニトゥアン島は、これまでとは次元が違うくらい生活環境が異なりますが、果たしてアジャストが可能なのか。最初に行ったサバンは気候も環境も良くて個人的には気に入りましたが、まだ若いうちにチャレンジした方が良いのかと、いまだに決めきれずにいます。下見したおかげで悩みが深まってたりして(笑)いずれにしても、パラワンはとてもいいところで、「フィリピン最後の楽園」と呼ばれる訳も納得できました。

 

(完)