タイのあれこれ

と、フィリピンのあれこれも

友人との再会 (4)

 

懐かしい友人たちを訪ねる旅の最後は、

マニラ首都圏のすぐ南側のカビテというところです。

 

カビテには、

私の義理の妹夫妻が住んでおり、

そこを頼りに二人の友人を訪ねます。

 

一人は、バンコクで同じ会衆だったおばさん姉妹。

タイでの生活が長く、

仕事でもかなり成功していたようですが、

最後はやはり年齢がネックになり、

だんだん仕事が少なくなり、

ワクチンは拒否、

貯金も尽きて、

パンデミックが始まるタイミングで、

みんなに説得されてようやっと帰国を決意、

帰りの航空券をプレゼントしてもらって帰国したという、

なかなかお騒がせなシスターでした。

 

タイでクリスチャンになったのですが、

なかなか古い人格が抜けきれず、

対人関係がうまくいかずに

心を打ち明けられる友人があまりいない状態だったので、

帰国後に、これまで交わったことのない地元の会衆にうまくなじめるか

ちょっと心配していました。

 

フィリピンでは、

Covid-19対策の法律の制限がまだ厳しく、

ワクチン未接種者は、

大人数が集まるところに行くことが禁止されています。

 

そのため、

集会はいまだにZoomでの出席ということで、

なおさら気になっていました。

 

しかし、

訪問して直に会って話ができて、

一安心しました。

 

話を聞いてみると、

地元の兄弟たちのサポートが良くできており、

コミュニケーションをうまく取れているようでした。

 

野外奉仕も、

家の近所に定期的に訪問できる人がいるようで、

奉仕も楽しんでいる様子に励まされました。

 

性格もいくらか丸くなった感じがしました。

やはり、母国に帰って家族と一緒に生活すると、

気持ちも落ち着くんでしょうね。

 

もう一人の友人は、

プーケットのホテルで

ミュージシャンとして働いていたおじさん兄弟です。

 

彼は、

私たちが記念式のキャンペーンでプーケットを訪れている期間に、

発作で倒れ緊急入院したことがありました。

 

肺にも水が溜まる状態で、

医師から「フィフティー フィフティー」と言われるほど、

一時は命の危険がありましたが、

無事危機を脱したという状況でした。

 

その時は、すぐにフィリピンから親族が駆け付けてきたので、

私たちは、親族と病院と地元のフィリピンコミュニティーの代表者の間に入って、

いろいろとお手伝いをさせてもらいました。

 

海外で緊急入院となると、

費用のことが真っ先に心配になります。

 

彼はいわゆる不法就労の状態で仕事しており、

仕事も不定期で、観光客の多いハイシーズンのみ働いている状態で、

ビザや仕事がない時期の生活費は、

オーストラリアにいる親族のサポートを受けている状況でした。

 

そのため、自分で払える治療費がないので、

プーケットのフィリピン人コミュニティーの代表者が、

フィリピン大使館と交渉してくれ、

最終的には大使館が治療費を支払ってくれることになりました。

 

その後、飛行機に乗れる状況まで快復したところで帰国した、

というところまでは知っていたのですが、

その後どうなったかが分からず、

やはり心配していました。

 

帰国後はカビテの親戚の家にいるということは知っていたので、

LINEで連絡を取り合ったところ、

なんとなんと、

私の義理の妹夫妻と同じ会衆にいることが分かりました。

 

そして、

前述のバンコクで知り合った姉妹も同じ会衆だということが判明、

偶然がこうも続くかと、とても驚きました。

 

兄弟が住んでいる家を訪問し、

久しぶりの再会を喜んだのですが、

兄弟は、一緒に住んでいた弟さんを

病気で亡くしたばかりのところでした。

 

自分より若い弟さんが自宅で倒れ、

看取らなければなかったようで、

落胆の色が濃い状況で、

見ている私たちもなんとも辛い気持ちでした。

 

本当に、貧困、病気、死というのは、

この体制では最後までなくならない

巨大な敵なんだなぁと、

強く感じました。

 

今回は、

フィリピンの国策であるOFW(Overseas Filipino Worker)として、

国を離れて身を粉にして働いてきた人とその家族を3組訪問しました。

 

彼らのように、

年配になってから海外から帰国してくる人たちが、

フィリピン国中にいると思われますが、

海外で経験する偏見や肉体労働で

疲れ切って帰ってきている人が、

かなり多いのではないかと思います。

 

そういう人たちを、

温かく迎えてねぎらってあげる受け入れ態勢が必要なんだなと、

帰国後の友人たちと実際に会って話してみて、深く感じました。

 

 

 

「そして最後の敵である死が除き去られます。」

コリント第一 15章26節

 

「神は人々の目から全ての涙を拭い去ります

もはや死はなくなり,悲しみも嘆きも苦痛もなくなります

以前のものは過ぎ去ったのです」。 

ー 啓示21章4節