タイのあれこれ

と、フィリピンのあれこれも

銀行口座開設

 

先日、フィリピンで銀行の口座を開設することができました。

外国人登録証を今年の2月に発行してもらえたので、銀行口座を開設する必要書類が整っていたのですが、大手銀行(BPI)では開設を断られていました。その理由は、私の持っているビザが1年間有効の仮永住ビザで、まだ永住ビザに切り替わっていないためとのことでした。将来的に、フィリピンの田舎に引っ越しを考えているので、ネイションワイドで支店がある大きな銀行で口座を開きたいなと思っていて、他の銀行をあたるか、または別の支店に聞いてみようかと考えていて、のびのびになっていました。しかし、今の勤務先から、給料を振り込むために銀行口座を教えてほしいと言われ、妻の妹が口座を持っていて評判も良さそうな銀行に行ってみました。その銀行は、フィリピンで第6位の資産規模があり、三菱UFJ銀行が出資しているという、SECURITY BANK という銀行です。バギオにも支店があり、お昼前の時間に行ってみましたが、なんと待ち時間なしで担当の窓口に通されました。「ほかの銀行では断られたのですが、ここでは開けますか?」と聞いてみたら、上司に確認してくれました。その後、国籍と在フィリピンの期間と収入源を聞かれ、自分は日本人で妻がフィリピン人、フィリピンの会社からの給与が主な収入であることを説明したところ、就職を証明できる書類を見せてほしいと言われました。会社にメールで返送した雇用契約書を、銀行の担当者にメールで再送したところ、これで審査しますねと言われました。ただ、審査といっても形式的なものだったようで、そのまますぐに口座開設のための書類の準備が始まりました。タイでもそうでしたが、フィリピンも負けず劣らず書類が多く、そのすべてにサインを求められ、銀行口座開設ってどこも大ごとなんだなあと思いました。オンラインで簡単に口座を開ける時代なのになあと思いながらも、思いがけず口座を開けそうな手ごたえがあり、うれしく感じました。そうこうしているうちに、口座開設OKということになり、2種類の口座を開いてもらうことにしました。

1つ目は、All Access Checking Account という口座です。総合口座みたいな感じでしょうか。Check はなしでもいいということでしたのでお断りしました。この口座は通帳とATMカードが付いてきます(フィリピンの銀行では、ATM専用の口座という設定があり、普及しているのはこのタイプで、通帳はついていません)。この口座ですごいなと思ったのは、生命保険がついてくるということです。平均残高の3倍の金額がMAX(限度額は3百万ペソ)で保険が下りるようです。私はこちらで生命保険に加入していないので、それも兼ねてちょうどいいかなと思いました。日本でもこういうサービスがあるんでしょうか。

利率は0.00675%。日本では普通預金ですと大手銀行では0.001%ですので、それよりは少し高いですね。ただ、100,000ペソ以上の残高がないと利息がつかないというのも面白いと思いました。

SECURITY BANK: All Access Checking Account

https://www.securitybank.com/personal/accounts/savings-checking/allaccess/

 

もう一つ、一定期間預けると利息が増えるタイプの口座がありましたので、一緒にそちらも口座を開設してもらいました。その名も Money Builder Saving Account という口座です。どうやら、1カ月引き出さないとボーナス金利が適用され、さらに3カ月引き出さないとまたボーナス金利が適用されるようです。ただ、必要な時はいつでも引き出しは可能で、そこのところがフレキシブルになっているというのがウリみたいですね。’

これって、全部の金利を合計すると、2%になりますけど、今どき銀行でこんな商品って可能なんでしょうか?!

SECURITY BANK: Money Builder Saving Account

https://www.securitybank.com/personal/accounts/high-interest/money-builder/

 

口座開設の手続きに1時間くらいかかりましたが、最後に通帳をもらいました。

大きさが違うのはなぜ?総合口座の方が大きいんです。ちなみに、Saving Account の通帳は、タイで使っていたKrung Thai Bank と同じ大きさで、国が変わっても規格が同じっていうことがあるんだなとヘンに納得しました。ただ、この一定期間預けるタイプの口座にもATMカードがあって、そちらは即時発行でした。う~ん、なんでだろう?お金を頻繁に出し入れするとボーナス金利はもらえないのに。。。そして、総合口座のATMカードは2週間後に発行されるというのも、ちょっと不思議でした。なんか逆な気がしますが。。。ATMカードは、マスターカードのデビットカード機能が付いているので、航空券などオンラインで買い物する時に使えるのが便利です。妻が使っているBDOのATMカードもデビットカード機能が付いてますね。フィリピンではこれが標準なのかもしれません。銀行口座を開くと、いよいよこの国に住むんだなあという実感が湧いてきます。まだ、口座保管料がかからないメインテナンス残高しかお金が入っていませんが(笑)とりあえず、これで、ビザ、銀行口座の手続きが済みましたので、あとは運転免許が欲しいですねぇ~

 

ちなみに、フィリピンの銀行事情について、興味深い文献がありましたので、一部を下記に転載します。

 

「フィリピンは、2010 年から 2018 年に年平均 6%超の経済成長を遂げてきたが、持続的かつより包摂的な発展を実現するための重要な課題の一つとして、金融包摂の推進を挙げ ている。その背景には、大半の国民が金融機関の口座を保有しておらず、金融サービスに アクセスできていないことがある。金融機関口座を保有する15 歳以上人口の割合は、 2017 年時点で32%であり1 、2011 年時点の 27%から若干上昇したものの、他の ASEAN 主要国と比較すると低水準にある(図表 1)。 フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas、BSP)は 2015年7月、より多くの国民が金融サービスにアクセスできるようになることを目指し、「国家金融包摂戦略 (National Strategy for Financial Inclusion)」を公表した。BSP は、2023年までに成人国民の 70%以上がフォーマルな金融サービスにアクセスできるようになることを目標としている。 フィリピンは7,600超の島から成る典型的な島嶼国であり、こうした地理的要因もあり、 多くの地域では銀行サービスが全く提供されていない。具体的には、2019年 6月時点で、1,634 ある自治体のうち、526 の自治体では銀行が設置されていない。国民の約 5 割は都市部以外に居住しているが、地方における金融機関口座保有割合は26%であり、全国平均を下回る状況にある。」

出典:「野村資本市場研究所 金融包摂を促進する重要な役割を担うフィリピンの地域金融機関」

http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2020/2020win05.pdf