5月22日木曜日、
現地時間で午後4時30分に、
タイの「平和・治安維持司令部」が、
タイ国内全土において統治権を掌握した旨を宣言しました。
いわゆる、
軍部によるクーデターが起きたわけです。
この21世紀に、
軍事クーデターが起こるということが、
なんとなく信じがたいですが、
そういうタイミングで、
そういう国にいるというのは、
なかなか興味深いことです。
私がクーデターを知ったのは、
戒厳令の時と同じく、
研究生からの電話でした。
「政府がなくなったから、
気をつけてくださいね」
クーデター勃発後、
約30分後に、
第一報が入りました。
その日は、
午後6時から、
電話をくれた彼と研究の予定になっていて、
6時ちょっと過ぎに彼の家に到着し、
普通どおりに研究をしました。
日本大使館からのメールで、
夜11時以降の外出が禁止され、
夜10時でBTSなどの電車がとまると聞いていたので、
夜9時ちょっと前に研究を切り上げて、
帰途に着きました。
彼の家は、
BTSが走るメインロードからは少し離れているので、
帰り道は、
そこまでソンテウに乗ります。
または、
バスに乗って別のルートで帰ることもできます。
最初は、
バスで帰ろうと思っていたのですが、
なかなかバスが来ず、
途中であきらめて、
ソンテウを使って帰ることにしました。
そのうちに、
車内の明かりが消えたソンテウが来ました。
これは、
もうサービスが終わったソンテウなのかなと思ったのですが、
だめもとで手を上げたら、
止まってくれました。
そして、
それに乗り込んで、
何とか間に合ったーと安心していたら、
BTSの駅までまだ2キロ以上あるところで、
ソンテウが止まりました。
運転手が降りてきて、
「ソンテウは9時でおしまい。
私はここから曲がって家に帰る。
ここまでの料金は要らないから、
後はタクシーに乗って帰って欲しい」
と言われました。
えー
というわけで、
あまり人気のない道の交差点で、
下ろされてしまいました。
仕方がないので、
めったに乗らないタクシーに乗り、
BTSが走る大きな通りまで出ました。
ここまで、
何とか10時前にたどり着き、
さてバスに乗ろうと思ったのですが、
今度はバスが着ません。
バンコク中心部から来る反対車線は、
バスが次々に来て、
お客さんを降ろしていくのですが、
バンコク中心部に向かう私たちの側は、
明かりを消してスピードを上げて走るバスが、
次々と私たちが待つバス停を通り過ぎていきます。
手を上げても、
運転手さんに逆に手を振られてしまい、
止まってくれる様子がちっともありません。
うーん
すでに電車は止まっていますし、
バスも乗せてくれないとなれば、
後はタクシーしか選択肢がありません。
ということで、
そこからまたタクシーに乗り、
何とか家まで帰ってきました。
さすがは、
クーデター直後の夜間外出禁止令だけあって、
公共交通機関は、
しっかりとお達しを守っているようです。
意外なところで、
私たちも、
お財布に影響を受けてしまいました。
さてさて、
この政治の混乱、
地元の人はすっかり慣れている様子ですが、
いつまで続くのでしょうか。