タイのあれこれ

と、フィリピンのあれこれも

日本へ一時帰国 (4)

 

帰国して4日目、5日目は、

今回の旅行の最初の週末でした。

 

弟が遊びに来てくれて久しぶりに再会しました。

弟の奥さんはブラジル人、

私の奥さんはフィリピン人、

私たちの両親は典型的な日本人という、

顔の形や色が全く違う人たちが一堂に会し、

楽しい時間を過ごしました。

 

次の日の月曜日、がなんと休日で、免許センターはお休み。

日本のカレンダーをよく見ずに仕事の計画を立てていたので、

翌日の火曜日と仕事を入れ替えてもらい、月曜日にお仕事、

そして火曜日の午後から再び免許センターに行きました。

 

前回と同じように、

再取得の窓口のところに並んで、

手続きの順番を待ちました。

 

いよいよ私たちの番になり、

これまで準備していた書類と、

金曜日に言われた書類を追加して再度提出しました。

 

今回は、前回とは違って、

警察の制服を着ていない人が窓口の担当でした。

その人が、サササっと書類に目を通して、

急に顔つきが険しくなりました。

 

「ご主人様の分は問題ないのですが…」

「奥様の住民票はありますか?」

 

ん?

「私たちは今海外で生活しているので、住民票はありません」

「住民票の代わりに、居所証明書と証明者の住民票を持ってきました」

 

「日本人の方はそれでいいのですが…」

「奥様、在留カードを持っておられますよね?」

 

「はい、先週更新してきました」

 

「在留カードがあるということは、住民票が取れるということなので、まず市役所に届け出をして、そのあと住民票を発行してもらうことが必要になります」

 

「…」

「住民票が取れるから、住民票が必要ということですか?」

 

「はい」

 

「私も、日本人なので、住民票を入れようと思えば入れられるんですが、私の場合は居所証明書と証明者の住民票でいいのに、外国人はダメって、どうしてですか?」

 

「…」

「少々お待ちください」

 

係の人は、いったん後ろに下がって、

どこかに質問に行きました。

 

そっかー

だからイミグレーションで、

「すぐ住民票を入れてください」って言われたんだー

 

金曜日に、帰り際に係官に言われた言葉が脳裏に浮かびました。

しかし、今更後には引けない状況です。

 

しばらくして、

紙をもって帰ってきました。

 

その紙を見せながら、

「外国人の方は、この書類が必要なんです」

と説明してきました。

 

いやいやいや。

 

「日本人と外国人で、

置かれている環境は同じなのに、

日本人には適用される同じ書類が外国人には適用されないって、

おかしいですよね。だめな理由を説明してもらえますか」

 

「…」

「少々お待ちください」

 

彼はまた、後ろに下がって、

誰かに相談しに行ったようでした。

 

周りがざわざわしてきて、

窓口の人たちもちょっと困っている感じでした。

 

係官がなかなか帰って来ず、

ほかの窓口の手続きはスムーズに進んでいる中、

再取得の列だけが全く進まない状況になってしまいました。

 

見かねたのか、しばらくして、別の係官が出てきて、

隣りのカウンターで、私たちの次に並んでいる人の手続きをやり始めました。

 

しばらくして、先ほどの係官が帰ってきて、

「やはり…」

と、同じ説明を繰り返してきました。

 

ここで、私はついにギアチェンジをしてしまいました。

「金曜日にここにきて、あと必要なのは証明者の住民票だけと言われました。だからそれを揃えて持ってきたんです。今日再発行してもらわないと、困るんですよ」

「再発行ではなくて、再取得です…」

「ほう、そうやって揚げ足取ってくるんですね、あなた」

「いえ、そういうことではありません。すいませんでした」

ここから、形勢が逆転します。

「免許の更新のために日本に一時帰国してきたんです。これで、明日フライトで海外に戻りますっていうことだったらどうするんですか?」

「え、明日がフライトなんですか?」

係官の顔色が変わりました。

「いつがフライトかは、免許の再取得とは関係ないですよね。関係あるんですか?っていうか、ここ、警察ですよね?警察の人が必要な書類について嘘をついたってことですか?それって許されるんですか?住民票とるにもお金がかかっているんですけど、これを受け付けないと言われたら、お金を請求しますよ。」

「…」

「少々お待ちください」

 

またまた、係官が後ろに下がりました。

不気味な沈黙が再び辺りを支配します。

 

どのくらい待ったでしょうか、

しばらくして同じ係官が帰ってきました。

 

「今回は、これで受けさせていただきます」

 

おいおいおい、

できるじゃないか~

 

だったら、最初から受理してよ~

 

と思いましたが、正直、警察管轄のあの場所であそこまでヒートアップしてしゃべることになるとは思いませんでした。

 

私としては、本当に引き下がれないという事情がありました。

ここで、住民票を取るためだけにわざわざ転入届を提出するとなると、

国民健康保険とか国民年金とか、いろいろと面倒でお金のかかる手続きが必要になります。

どう考えても、書類的には問題のないがないはずという確信はあったので、強気になれたというところももありました。

 

そして、仕事柄、クレーム対応を何回かしたことがあるので、

その経験から、逆にどんなことを言えば例外的な待遇をしなければいけなくなるかということもなんとなく分かっていたというのも、強気で行けた理由の一つのような気がします。

 

ということで、なんとかかんとか、

夫婦そろって自動車免許の再取得ができました。

 

再取得後の免許も、ゴールドは継続され、

次の更新は5年後です。

 

ただ、失効してから6か月以上経過しているため、

「初心運転者」になるということでした。

私はタイの免許を持っていたので、

それを見せれば「初心運転者」にはならなかったようなのですが、

あの応酬の後だったのでそれも言い出せず、

甘んじて初心運転者を受けることにしました。

 

ということで、後ほど100均で初心者マークを購入。

万が一、この一時帰国中に交通違反を累積させて3点以上になったりすると、

初心運転者講習を受けるためにわざわざまた日本に帰国しなければならないので(講習を受けないと免許が失効してしまうそうです)、運転時はかなり慎重に運転しました。

 

いやー 冷や汗モノでの免許再取得。

次回の更新は、必ず有効期間内に通常の更新をしようと思います。

 

少なくとも2027年はパンデミックが来ないことを願うばかりです。